違う立場の人を理解すること

2015年11月10日 

林奈央子

うちは両親と私の3人暮らしですが、NHKが好きでよく見ています。

特に教育テレビは2000年以降くらいから急にデザインがオシャレになり、若者の私でもとっつきやすく、ためになる番組が増えたと思います。

それで、この前は録画していた「100分で名著」の小泉八雲編を見ました。

この人は元々ギリシャで生まれたのですが、自分の居場所を求めて世界中を飛び回った結果、日本を気に入って住むようになったそうです。

日本に来たのは1890年(明治23年)で、人々は着物を着ていて、これから西洋の文化を取り入れて近代化していくような時代です。

そこで感じた日本の良さを「知られざる日本の面影」という紀行文にして、アメリカをはじめ世界中に広めました。

「すべてのスケールが小さく、人々はみんなやさしい顔をしていて妖精の国のようだ」とか、「日本の桜は日本人に愛されているからあれほど美しい」とか、

とにかくベタ褒めなんですが、これは外国人ならではの視点かな、と思いました。

私たち日本人には何でもないことが、外国人の八雲には新鮮だったと思います。

その後、日本の人々に囲まれて生活する中で、八雲は日本人が嬉しい時も悲しい時も笑っていることに気付いたそうです。

自分の身内が死んだことを主人に伝える使用人が、笑いながら「身内に不幸がありまして…」と言っているのを見て、

なぜ悲しいのに笑っているのか理解できなかったそうです。

これは使用人が主人に心配を掛けないための配慮なのですが、特に笑いを意識しているのではなく、自然にやっていることです。

そういう日本人特有の気遣いの意味を理解できた八雲は、とても鋭い感性を持った人だと思いました。

その後は、昔話とか怪談に興味を持ち、「耳なし芳一」「雪女」「ろくろ首」など日本人から聞いた話を自分の言葉にして文学作品にしました。

目に見えない妖怪や幽霊のようすをそこにいるように描写し、日本人よりも日本人らしい表現ができるまでになった八雲は、心まで日本人になりきっていたと思います。

妖怪

そして、日本で暮らしながら、軍艦などを造って近代化していく日本を見ながら、

「この先日本が近代化しすれば今ある文化は失われ、そのあとになって大切なものが無くなっていることを日本人自身が嘆くだろう。」というようなことを言ったそうです。

 

長くなりましたが、この番組を見て私が思ったことは、ギリシャで生まれた人が日本の心を理解できたのだから、

広告会社が家を建てたい人や工務店様の心を理解することもできるだろうということです。

もちろん話し合いや取材を重ねて理解を深めていくことが必要ですが、決して出来ないことではないはずです。

自分で作ったものを客観的に見ることの難しさは日々の広告作りで感じていますが、もしそれがもっと深くできるようになれば、

もっと良い広告がつくれると思います。

小泉八雲とは全然立場の違う話ですが、通じるものがあるな~と思いました。

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