Breaking Night

2015年8月10日 日々のこと

早川百合子

先日、Liz MurrayのBreaking Nightを読みました。
ホームレスの境遇からハーバード大へ行った、著者の自叙伝です。

USで映画化され、ベストセラーになった本で
日本でも著者のこのストーリーはTVなどで紹介されているようなので
ご存知の方も多いかもしれません。

この本の著者であるリズは、ニューヨークのブロンクス地区で生まれました。
両親はドラッグ中毒で、生活保護のお金も食べ物ではなくコカインを買うのに使ってしまい
リズと姉のリサはいつもお腹をすかせていました。

学校に行けばいじめにあい、
授業に出るのが嫌でほとんど学校に行かなくなってしまいます。
それでも父親の本を読んだりと、自分で学び、
進級するためにテストにだけは出席。
テストでは高得点をとって、普段は出席していなくとも進級します。

ある日、母親から、母親がHIVに感染していることを告げられます。
それを聞き、リズは大変なショックを受けます。
母親はそれでもドラッグをやめようとせず
精神的にも病んで入退院を繰り返します。
そして姉のリサを連れて愛人であるブリックのアパートに住むようになります。


その後、両親と姉と4人で暮らしていたアパートは無くなり
父親は収容施設に入り、
リズも一時期はブリックのアパートに一緒に住んでいましたが、
後に、ホームレスの道を選びます。

やがて母親の病気は進行し、入院していた病院で亡くなってしまいます。

一時期はホームレスのボーイフレンドと一緒だった時期もありましたが
彼もドラッグを所持していることが分かり、自分の身の安全を考え、
彼の元を去ることに。
そして友人の家に寝泊まりする日々が続きます。
食べるものはスーパーで万引きするか、
友人の家でもらって何とか生き延びるような生活です。

ある時、リズはハイスクールに再び通い、卒業しようと決心します。
いくつも面接を受け、やっとニューヨークにあるハイスクールに合格。
全てAの成績を取って卒業することを目標に決めて、
毎日、休むことなく通います。


毎晩泊まる場所は主に、友人の家。
友人の両親に見つかってはいけないので、両親が寝静まった頃に家に入り、
友人の部屋の床で隠れるようにして寝る日々。
朝は両親が起きる前の早朝に静かに玄関のドアを閉めて学校へと向かいます。

成績の良かったリズは、大学を見学する機会に恵まれ、
リズは進学を決意します。
いくつもの奨学金に申請し、
ニューヨークタイムズ紙の奨学金の面接を受け
奨学金を獲得します。

ハーバード大学の合否は長い間、連絡を待っている状態が続きますが
結果は…、ご存じの通りですね。






ドラッグに手を出してもおかしくない環境ですが
リズは一度もドラッグをやることはありませんでした。
母親からかつて、あなたは絶対にドラッグをやってはいけない、と言われたこと。
ドラッグ中毒だった母親でしたが
リズは母親の愛情を受けて育ってきたのです。
そして、ドラッグが4人の家族をばらばらにしてしまったという事実。
こうした理由から、リズはドラッグには手を出すことはなかったのでしょう。


少ない睡眠時間、今夜どこで過ごすのか分からないような日々。
そんな中でもハイスクール卒業、大学に行くという目標のために
重い教科書を全て持ち歩き、勉強できる時間は勉強し
見事に奨学金を獲得し目標の大学にも入学した彼女の強さにとても感銘を受けました。

大学に入るまでに、想像もできない位の苦労をして育ってきて、
そんな環境でもあきらめずに前を向いて、
目標に向かって全力でやり遂げた彼女は本当に強い人だと思いました。

なぜそんな風に乗り越えてこれたのでしょうか。
ハイスクールに通っている時にリズは毎日、早朝に、
友人の部屋の暖かいブランケットに包まれてこのまま眠り続けるか
ドアを開けて学校へ行くか、
そんな選択を迫られますが、
そんな時、いつも心の中に、ハードルを飛び越えてトラックを走って行く
女性のイメージを思い描き、
自分のハイスクール卒業という目標を思い出し、
起き上がって学校へと向かいます。
そんな風に自分の中に強い理想像を持っていたから、
強い気持ちで負けずにいられたのではと思います。

たとえ今がどんな状況であっても、どんなに悪い環境にいても
自分の意志と行動次第で、目標を達成することはできるんですね。
自分の環境が悪いからできません、などという言い訳など、不要です。
そんなことを考えさせられました。

このBreaking Nightという本ですが、
最初のほうは子どもの頃の苦難の話が多く読むのに気力が要りましたが
最後のハイスクールに通うあたりの部分は彼女の強さを感じ、
読んでいて自分も前向きな気持ちになりました。

だいぶ前のベストセラーですが
日本語訳されたものも出版されていますので、
この夏に、読んでみてはいかがでしょうか。
BreakingNight



余談ですが、私がこの本を読もうと思ったきっかけは、
「Hero」という本にLiz Murrayの言葉が載っていたからです。
この本は、多くの成功者たちの言葉が紹介されていて
とても心に響くことが書いてありますので、
こちらもお勧めです。


そして…、Breaking Nightを読んで思い出したのが、
以前に読んだ「the glass castle」という本。
有名なジャーナリストの自伝小説なのですが、
幼少時代の貧しさ故の困難や、両親の愛情は受けてはいるものの
ネグレクトされている感じはBreaking Nightと似ている部分があると感じました。
興味のある方はぜひ。

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